
膝の病気で変形性膝関節症と似て非なるもので『膝の骨壊死症』という病気があります。これは症状が変形性膝関節症とよく似ていますが、正しい診断と、正しい治療方針が示されていないケースが多く、患者さんが非常に困っていることが少なくありません。『膝の骨壊死症』は難しい病気ではありますが、治療方法は確立されており、『治る、治せる病気』ですからご安心ください。
骨壊死症の初期はレントゲンでは分からない!
中高年で膝が痛くなる原因として最も多いのは『変形性膝関節症』という病気で、これは膝関節の表面の軟骨が少しずつ磨り減っていく病気です。『膝が痛い』と言って整形外科や整骨院、鍼灸院などに通っておられる中高年の方は、ほとんどこの『変形性膝関節症』です。
ところが症状は変形性膝関節症と似ていても、病態がまったく違う『膝の骨壊死症』という病気があります。これは原因なく、あるとき突然骨の中の細胞が死んでしまう病気です。変形性関節症は骨の表面を覆う軟骨が少しずつ擦り減ってくる病気ですが、『膝の骨壊死症』は骨の内部から突然発症します。
この病気の厄介なところは、初期の段階での診断が難しく、発症してから2ヶ月ぐらいはレントゲン検査でもほとんど分かりません。レントゲンで異常なしと判断されると、一般的には軽度の変形性膝関節症と診断されてしまいます。
当院で『膝の骨壊死症』と診断された方の多くは、それまで別の医療機関で治療を受けておられます。ほとんどの方が共通して言われるのは、『こんなに痛いのに、今までかかっていた病院ではレントゲンはきれいだから大丈夫』ということです。先ほども申しました通り、『膝の骨壊死症』は発症しても初期の段階ではレントゲンには写りませんから、当然といえば当然な話です。
MRI検査で確実な診断
では『膝の骨壊死症』は初期の段階では診断できないかというと、そうではありません。問診や膝の診察とMRI検査で確実な診断ができます。『膝の骨壊死症』はMRI検査をすれば初期の段階でも発見できますが、MRI検査は時間も費用もかかりますから、もちろん闇雲に行うわけにも参りません。MRI検査をするにはそれ相応の根拠がいります。
一般に中高年の方が『膝が痛い』と言って来院された場合、多くの医師や治療家は普通『膝の骨壊死症』は考えません。何故かと言うと、軟骨が磨耗して起こる変形性膝関節症に対し『膝の骨壊死症』は非常に稀だからです。患者さんを何十年も診ていても『膝の骨壊死症は診たことが無い』という医師や治療家は決して珍しくありません。当院では『膝の患者さん』が毎日多数来院される関係で、毎月数名は『膝の骨壊死症』と診断される方がいますが、一般外来では非常に稀な病気なのです。
『膝の骨壊死症』とはどういう病気?
はっきりとした原因は現在でも分かっていませんが、一番有力な説は『局所循環障害説』です。つまり、骨の中の血流が突然途絶えて、その周囲の骨の細胞が死んでしまうと考えられています。
最も多い年代は60歳代後半ですが、中高年であればどの年代にも起こります。症状は『膝の痛み』『膝に水が溜まる』が主で、これも変形性膝関節症とよく似ています。最初の1〜2ヶ月は症状が非常に強いのが一般的で、その後少しずつ落ち着いていくケースと強い症状が続くケースに分かれます。強い症状が続く場合は手術を受けてもらいます。
症状が落ち着くケースは、骨壊死そのものが治るわけではないのですが、痛みや腫れが少しずつ和らぎます。このような患者さんは歩いている姿は普通に見えますが、『痛くないかと言われると、痛みが無い訳ではない』と多くの方が言われます。その『痛み』の程度も個人差があるようで、月に1〜2回、あるいは年に数回当院を受診し、診察を受けられます。この状態で何年も過ごし、やがて納得して来院されなく方もおられますし、この後で説明する手術を受けられる方もいます。
根本的に治すには手術が必要
『膝の骨壊死症』と診断されると、上記の様に症状が自然と落ち着くケースもありますので、通常は1〜2ヶ月様子を診ます。しかし1〜2ヶ月様子を診ても一向に改善がみられない場合や、『毎日痛くて早く治療してほしい』といわれる患者様は手術を行います。
手術は、変形性膝関節症の手術でご紹介した①関節鏡による治療(壊死部を取り除いたり、ドリルでの穴あけ)と、②膝の矯正術を同時に行います。手術をすると約1ヶ月で1本杖歩行可能となり退院できます。退院後1,2ヶ月は杖を使用してもらいますが、その後は何もいりません。正座は個人差がありますが、手術後半年から1年でほとんどの方が正座可能となります。
終わりに
以上、変形性膝関節症、膝の骨壊死症について説明してきましたが、いずれにしても確実な治療方法があります。中高年になって膝の痛みがあると、必然的に運動不足、肥満となり高血圧症や糖尿病などの成人病を誘発します。『風邪は万病の元』といいますが、『膝の痛みは成人病の元』です。膝が痛いのは『年のせいだから仕方ない』とあきらめないで、自分にあった治療法を一日も早く見つけてください。
- 診療時間
平日(月~土曜)
9:00〜12:30(初診の方は12:00迄)
16:00〜19:30(初診の方は19:00迄)
※水曜の午後は休診
日祝日
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15:00〜18:00(初診の方は17:30迄) - リハビリ室
平日(月~土曜)
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日祝日休み - 年中無休
- 所在地
福岡市南区向新町1-13-43(地図) - 理事長 堺 研二
- 院長 武田 康志
- 膝の痛み
- 急性外傷(骨折、脱臼、ねんざ、打撲)
- スポーツ外傷(前十字靭帯損傷、アキレス腱断裂、肩関節脱臼、足関節骨折)
- スポーツ障害(疲労骨折、肉離れ、シンスプリント)



